ウエディングの映像の映像と聞くと、挙式・披露宴当日に撮影する映像を想像する方が多いかもしれませんが、 当日以外でも撮影を行うことがあります。
ウエディングの写真の世界では、 「挙式当日はドレスしか着ないけど、和装も着たい」 というような要望に応えるために、 挙式当日とは違う衣装で、式場やスタジオで前撮り撮影をしたり、 私服で思い出の場所を巡って前撮り撮影をすることが、よく行われています。
そういった写真と同様に、動画ならではの表現方法で前撮り撮影をしたい!という声が多くなってきています。
今回は、そんな前撮り動画を自力で作りたい!という方や、 新郎新婦の為に前撮り動画を作ってあげたい!という方のために、 前撮り動画を作るための10ステップをお教えします。
実際にDEPO LABO WEDDINGが制作した前撮り映像をお手本にして、実際に撮影中に起きたことも交えながら説明していきます。
目次
▼STEP1 映像の目的と構成を考えよう
▼STEP2 撮影場所を決めよう
▼STEP3 撮影スケジュールを決めよう
▼STEP4 撮影当日!新郎新婦にインタビューしよう
▼STEP5 新郎新婦の自然な表情やポーズの演出を付けて撮ろう
▼STEP6 編集ソフトを用意しよう ~オススメの編集ソフトのご紹介~
▼STEP7 インタビューをベースにして編集しよう
▼STEP8 インタビューの内容と連想できる画をインサートしよう
▼STEP9 完成データを書き出そう
▼STEP10 完成映像をDVDにしよう
STEP1 映像の目的と構成を考えよう
どのような映像を作る場合でも、撮影に入る前に、まずその映像と目的を考えることが基本になります。
前撮りの動画の場合、目的としては、新郎新婦の記念として手元に残すことや、披露宴や二次会等で上映することなどが挙げられます。
お手本の前撮り映像では、挙式当日の披露宴のなかで、最初に新郎新婦が入場する前に上映する、 「オープニングビデオ」として制作することを目的にしていました。
なので、今回は「オープニングビデオとしての前撮り映像を作る」という前提で説明を進めます。
映像の目的が決まったところで、映像の構成を考えましょう。
お手本動画の場合では、 基本的には新郎と新婦それぞれにインタビューをした音声をベースにして、ロケで撮影した映像を織り交ぜる。 映像の締めくくりに、「まもなく新郎新婦の入場です」というテロップを表記し、披露宴の入場につなげるという構成にしました。
STEP2 撮影場所を決めよう
撮影場所の候補としては、新郎新婦のふたりにとって思い出の場所だったり、 緑や木が多い公園などがオススメです。
基本的には、個人的なウエディングを目的とした撮影は自由に行っていい場所が多いですが、 場合によっては、事前に管理事務所に許可申請が必要な場合があるので、事前に確認をすると確実にスムーズな撮影ができるでしょう。
お手本の動画では、 基本的には思い出の場所を巡って撮影をしつつ、緑が多い公園でも撮影するという撮影プランになりました。
STEP3 撮影スケジュールを決めよう
お手本の動画では、思い出の場所である、新郎がプロポーズをしたライブハウスと、オリジナルの指輪を作った工房を巡ることになりました。
しかし、こういったお店などの場所は、公園などと違って何時でも好きなタイミングに行って撮影ができるわけではありません。 お店の営業時間の都合や、お店の方のスケジュールとの兼ね合いもあるので、事前の交渉が必要になってきます。
そういった相談の結果、お店の方とお互い都合のつく日時を設定して、お店以外の撮影場所も含めて、 撮影する順番と、それぞれの到着時間と出発時間の予定を決めます。 要するに遠足のしおりを作る感じですね。
STEP4 撮影当日!新郎新婦にインタビューしよう
撮影スケジュールの都合もありますが、今回のようなインタビュー音声をベースにする構成の場合、可能であればインタビュー撮影を先に行うとベターです。
なぜなら、そのインタビューの内容を聞くことで、その後どんなイメージ映像を撮影すれば効果的かを考えることができるからです。 違う言い方をすれば、インタビューの内容は、イメージ撮影の大きなヒントになります。
話がそれましたが、インタビュー撮影について説明します。 インタビュー撮影を行う場所は、新郎新婦が座れる場所で、カメラを三脚等に固定できる場所が好ましいです。 質問する側と新郎新婦との会話に集中できる環境を作りだすことが大切なのです。
また、屋外でもクリアな音声収録を行うために、ピンマイクなどの録音機材を使うことをオススメします。 カメラマイクだけで音声収録を行うと、 十分に音が拾えなかったり、風の音などの雑音が入ったりして、音声が聞き取りづらい映像になる可能性があります。 音声の聞き取りやすさが、かなり映像のクオリティに影響を与えるので、 録音機材はできればこだわりたいところです。
お手本ビデオのなかで、インタビューをした内容は、以下のような内容です。
- 仲良くなるきっかけ
- プロポーズについて
- 相手の魅力を紹介
- どんな夫婦になりたいか
新郎と新婦それぞれにインタビューする時間を設け、お二人ともに同じ質問をしました。
インタビューの最後に、未来を感じさせるような内容を聞くことがポイントです。
そして、ここが重要なポイントなのですが、 質問に答えてもらう中で、 「あのとき相手はこう言った」というような内容の話が出たときは、その話を覚えておくことをオススメします。
インタビュー相手を交代したときに、覚えておいたエピソードについて触れて、 「あのときどんなリアクションをしたか」いうような質問をします。 編集時にふたりが同じようなことを言っているに音声を交互につなげると、とても生き生きとした状況描写をすることができるからです。
お手本のビデオのなかでは、サプライズでプロポーズをされた新婦のリアクションについて、 新郎が解説し、新婦がその時の自分の気持ちを語っています。
STEP5 新郎新婦の自然な表情やポーズの演出を付けて撮ろう
可能であれば、インタビューの内容に合うような画をイメージして撮影をすることがベストですが、なかなかそうもいかないこともあります。
そんなノープラン状態でメージ撮影をするうえで、自然な表情が撮るための演出方法は、 とにかくふたりに会話をさせることです。 その会話をさせるシチュエーションをたくさん作ってあげればいいのです。
- 木にもたれながら
- 椅子に座って対面しながら
- 立って向き合いながら
- 歩きながら
- なにか結婚式の準備をしながら(飾る写真を切ったり、買い出し行ったり)
等々、 会話をさせるシチュエーションをたくさんイメージして、バリエーション豊かな撮影をするとよいでしょう。
お手本映像のふたりには、音楽という共通点があったので、楽器を使った対話のシチュエーションも取り入れています。
会話をしている様子を撮影するのに対し、 会話をしない状態でのポーズ撮影も行うとバリエーションが豊かになります。
- 手をつなぐ
- 見つめ合う
- カメラ目線で並ぶ
- ふたりの後ろ姿
等々が挙げられます。
あとは、とにかく臨機応変にその場で思いついた直感を大切にして撮影を行うことも大切です。
STEP6 編集ソフトを用意する ~オススメの編集ソフトのご紹介~
編集するための道具として、
- パソコン
- 編集ソフト
- DVD書き込みドライブ
の3点が必要になりますので、事前に用意しましょう。
それでは、 編集を行うためのソフトをパソコンにインストールします。 無料ソフトと有料ソフトがあるので、オススメのソフトを紹介します。
(1)無料の編集ソフト
・Windowsの場合
「Windowsムービーメーカー」という編集ソフトを無料でダウンロードできます。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/14220/windows-movie-maker-download
・Macの場合
「iMovie」という編集ソフトが、標準でインストールされています。
(2)有料の編集ソフト
・Windowsの場合
・Macの場合
・Windows/Mac兼用
PowerDirector ★映像の経験のない方でもカンタンに操作できるので、これが一番オススメです
STEP7 インタビューをベースにして編集しよう
インタビューの音声の内容が映像の肝となるので、 まず、インタビューのどの部分を使用するかに集中して編集を行います。
インタビュー撮影では、新郎新婦それぞれに同じ質問をしているので、 同じ質問に答えている内容を、交互につなげることで、 効果的な編集を行うことができます。
お手本の映像のなかで、頻繁にそういった編集をしているので、参考にしてみてください。
STEP8 インタビューの内容と連想できる画をインサートしよう
見出しの中に「インサート」という言葉を使いましたが、 これはどういう意味かというと、 ベースとなる画の上に、別の画をかぶせて挿入させることを言います。
何もインサートをしていない状態だと、 ひたすら新郎と新婦が話している様子が映っている状態になります。 この状態からさらに、ふたりの話している世界のイメージが膨らむように、 ふたりが会話している自然な表情や、ポーズ撮影をおこなった画をインサートさせていきます。
出来る限り、ふたりが話している内容と連想できるような画をインサートさせることを心掛けながら編集を行うと、 迷うことなく映像をつないでいくことができます。
そして、映像の締めくくりとして、「まもなく新郎新婦の入場です」といったテロップ表記があるシーンを加えます。
そして、全体に見直しながら、音量が小さく聞き取りづらい音声の部分があれば、音量を調整します。
STEP9 完成データを書き出そう
映像の編集が終わったら、一つの完成映像データとして、編集ソフトから任意のフォルダに書き出します。 この作業を「エンコード」と呼ぶのですが、エンコードするファイル形式はたくさんあるので、 どれにすればよいのか迷ってしまいます。
基本的にDVDにする場合、最も適しているファイル形式は 「MPEG2」 になります。 どの編集ソフトを使用する場合でも、MPEG2形式で書き出すことができます。
STEP10 完成映像をDVDにしよう
いよいよ、書き出した完成映像データをDVDにする工程です。 こちらの作業では、編集ソフトから行えない場合があるので、 別途オーサリングソフトというものが必要です。
無料のソフトでFreemake Video Converterというものがあるので、 そちらを使用するのがオススメです。
上記リンク先のページに詳しいソフトの使い方も説明されているので参考にしましょう。
そのなかでも、 「3.スクリーンサイズ&DVD メディアの種類の選択」 という説明の項目がとても重要な内容です。
上映するスクリーンの比率は、 「4:3」と「16:9」 の2種類があり、披露宴会場にあるスクリーンの比率は、 会場の設備によって異なるので、事前に会場に確認をすることをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 前撮り映像の撮影は、屋外で行うことが多いため、 天候や季節にかなり影響されます。
天気の良い日に撮影がしたいのであれば、 スケジュールを組む段階で、可能であれば撮影候補日を2日間ほど組んで、天候予備日を設けるとイメージに近い撮影ができます。
また、雨天が避けられないようであれば、「傘を効果的に使ったシーンを撮ることができる」と、 いわば開き直り的に発想を転換させることも大事です。
やはり、プロの業者が作る映像も素敵ですが、 親しい友人の方が撮影をすることで、その方だから撮れる、新郎新婦との親近感や距離感を活かした画が撮れるものです。
そんなオリジナリティあふれる前撮り映像が、 新郎新婦の結婚式に彩りを加えることを祈っています!
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