筆者の両親は、韓国と日本の国際結婚だったので、幼いころから母と父の姿を見ては、国際結婚のメリットとデメリットを間近で感じてきました。
そんな国際結婚は、2006年をピークに減少傾向にあります。
「恋愛に国籍は関係ない」「国際社会では自然なもの」という好意的な意見がある一方で、「言葉の壁は大きい」「文化の違いですれ違いが起きる」というネガティブな意見もあります。
しかも重要なデータとして、国際結婚の件数は減少傾向にありながら、国際結婚したカップルの離婚件数はやや増加傾向にあるようなのです。しかも、毎年2万組以上の国際結婚によるカップルが生まれる一方で、その7割に相当する数のカップルが離婚しているのです。
国際結婚を考えている人や、興味がある人にとって、憧れだけではなく、不安に思う要素もあるはずです。
そんな方の為に、いざという時を迎えるよりも、前もって心構えができるように、先輩カップルの声に耳を傾け、勇気を持って(?)国際結婚のデメリットをご紹介します。
目次
▼ビザや婚姻の手続きが面倒
▼日本から離れて生活するのが寂しい
▼相手の食文化に慣れるのが大変
▼帰省するのが大変
▼文化の違いが障壁になる
▼老後や親の介護が心配
▼言語の違いにストレスを感じる
婚姻の手続きやビザ申請が面倒
日本人同士の結婚の場合は、役所に婚姻届けを提出すれば手続きは完了しますが、国際結婚の場合はそうカンタンにはいきません。
役所はもちろんですが、そのほかにも、大使館にまで出向く必要があり、それぞれの国で用意する書類も沢山あるので、手続きをするために相当な手間と時間がかかります。
婚姻関係を証明する書類は、翻訳文も作成する必要があるので、大変なのだそうです。
国によってはビザ申請が必要になり、場合によってはビザ取得までに数カ月かかる場合があり、その間は国外に出られなかったり、合法的に働けなかったりと、不自由を迫られるケースもあります。
しかも、ビザ関係の手続きは費用もかさむので、10万円以上かかる場合もあるようです。
日本で結婚をする場合は、漢字が読めないパートナーに代わって全ての手続きをしなければならない場合が多いようです。
また、役所の職員の方が、国際結婚やビザに関する手続きに不慣れであったり、大使館に問い合わせた内容がすぐに返答されなかったりと、思ったように円滑に国際間での手続きが進められない事に頭を悩ませます。
そんな婚姻手続きやビザ申請が、国際結婚の新婚生活を送るための第一関門なのです。
日本から離れて生活するのが寂しい
日本ではなく、相手の国で結婚し、生活を送る場合は、慣習も違えば、宗教や文化、言葉も大きく違うので、戸惑いやストレスも多くなります。
結婚する前は大丈夫だろうと思っていても、いざ生活をしてみて初めて気づくことも多いようです。
自分の家族はもちろん、友人とも会えなくなってしまうし、馴染みのある場所にもいけなくなってしまうので、ホームシックに近い心境に陥ってしまうこともあります。
相手の食文化に慣れるのが大変
人が暮らすうえで毎日やらなければならないことの一つが、食事です。
どの国で暮らすかによっても変わってきますが、その国の食文化に慣れるまで時間がかかる場合、大変な思いをする可能性があります。
日本で食べる外国の料理は、たまに食べるから美味しく感じるのでしょうか。
そんな異国の料理が毎日続くと、つい日本食が恋しくなってしまうという声も多くあります。
帰省するのが大変
国際結婚における帰省は、同時に海外旅行にもなるという特典のような側面がありますが、同時にこれはデメリットであるともいえます。
やはり1回帰省をするたびに、莫大なコストと時間がかかってしまうことが、大変なようです。
国によっては、10時間以上も移動に時間がかかったり、経由地で何機も乗り換えをして一日がかりでやっと帰るという人もいます。
学校がある時期には帰省のスケジュールが組めなかったり、気候のいい時期にしか行けないという都合があったりと、いざというときにすぐに駆けつけられないのが辛いという、切実な声もあります。
国際結婚で生活を送る場所は、自分の国、相手の国、第三か国のいずれかを選ぶことになりますが、どこを選択したとしても、カップルのどちらかの家族や友人と離れ離れになってしまうことは避けられません。
この「どうしても埋められない距離」が、国際結婚をする上での困難になってしまう場合があります。
文化の違いが障壁になる
付き合っていた時から、自分と相手が生まれ育った国も言葉も違うと理解していても、その文化の違いが障壁になってしまうことがあります。
「ふたりの間に違いがあって当然」と割り切っていながらも、「しょうがない」で流せなくなってしまった瞬間に、国際結婚のカップルは衝突してしまうようです。
また、夫婦間で分かり合えないというだけでなく、夫婦の周囲にいる人の理解が欠けているせいで、差別に遭ってしまう人もいます。
島国という構造を持った日本では特にそうですが、外国人との結婚に対して、ウェルカムな姿勢で理解を示さない人や偏見を持っている人の存在から、ストレスを抱えてしまう外国の方も少なくありません。
また、子育てに関する考え方や価値観の違いから、日本人同士でも夫婦ゲンカに発展してしまうことがありますが、国際結婚のカップルは尚更のようなのです。
そして次第に、相手の国に対して不満が溜まっていってしまい、悪循環に陥ってしまうケースもあります。
同じ文化を共有していた人同士では起こらないようなケンカも、国際結婚のカップルだからこそ起こってしまうことがあるようです。
国際結婚のカップルにとって、文化の違いによる衝突は、切っても切れない障壁なのです。
老後や親の介護が心配
国際結婚では、夫婦のいずれかが、故郷の国を離れて海外の地で暮らすことになります。
そこでよぎる不安が、「老後」や「親の介護」です。
エネルギッシュに活動できる若い時は、海外生活を送ることはそこまで大変なことではありませんが、年齢を重ねるにつれ不安も大きくなってくるようです。
「相手の家族や身内に不幸があった場合など、距離が離れている分対応が大変」、「親の介護をするために単身帰国する時には大変だと感じる」、「お互いの宗教観が異なるため、パートナーが亡くなったらどうすればいいのかわからない」、「親の死に目に会えないのではないか」など、様々な心配をする声があります。
言語の違いにストレスを感じる
ほとんどの場合、国際結婚のカップルは、相手の国の言語を完全にマスターできていません。大半のカップルは、相手の国の言葉を流ちょうに話すことができません。
夫婦によって、パートナーとどこまでコミュニケーションが取れるかは様々ですが、スムーズに意思疎通ができないことがストレスになることが多いようです。
「結婚して間もないころは、言葉がままならず会話をするのが大変。付き合いたての頃は楽しんでボディランゲージも交えて意思を伝えていましたが、結婚生活となるとやはり大変」、「お互いに言っていることがうまく伝わらないので、イライラもつのってしまって、会話が減ってしまうときがあった」、「表面的なやりとりはできても、なかなか深い内容の話題で向き合うことが難しい。心から相談したいことを、パートナーではない他の人にせざるを得ない状況が心苦しい」という、意思疎通の難しさを語る声が多いようです。
夫婦は、コミュニケーションを通じて互いを理解し、心からつながっている実感を得ることが大切なので、言葉の壁を乗り越えることが、国際結婚のカップルに与えられた大きな課題になります。
まとめ
国際結婚をして苦労したこと、不安に思うこと、大変だったことにフォーカスをあて、8つのポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
日本人同士の結婚でも同じことが言えますが、結婚は楽しいこともあれば辛いこともあります。お互いに文化や言葉の違いがあれば、一層楽しくもあり、大変な部分も出てくるようです。
ネガティブなことばかりを挙げて、「こんなに大変だとは・・・」と、国際結婚への憧れが薄れてしまうのも悲しいので、国際結婚をしてよかったことをまとめた記事も書きましたので、ご参考になれば幸いです。
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